ブログ紹介&最新イベント

2010年2月22日

動物園ライター・森由民の公式ブログです。

まとまった記事やイベントの告知等、アップしてまいります。

なお、日々の動物園散策につきましては、拙ツィッター

にて、「#リア獣」を検索すると、直近記事が御覧になれます。

こちらは、畏友o9bo氏肝煎りのまとめ板ですρ(´-`)

http://twiita.com/tweet_board_37.html

当ブログは、原則としてリンク・フリーですが、リンクしていただいたら後出のメール・アドレスに御一報いただければ、さいわいです。

バナーはこちらを御利用ください ρ(´∀`)

※いろいろお世話になっている熊本市動植物園のアライグマさんです☆(⌒_⌒)☆

筆者の自己紹介やブログの主旨等は右欄の「紹介」をクリックして御覧ください。

なお、対応の精度を上げるため、簡便なコメント機能は設けませんが、メールでの御連絡は随時お受けします(迷惑メール対策でアドレスを画像化しております)。

また、

Twitterでもお問い合わせやイベント等への参加申し込みをお受けします(申し込み関係については、必ず、わたしからのレスを御確認ください。レスさせていただいた段階で受付完了といたします)。

以下、わたしが主催・参画あるいは出演等するイベントの日程について、随時、リンクを掲載します。

リンク先は、本ブログ内の告知記事やイベント主催・チケット販売等のサイトです。

拙著とその周辺

2011年12月5日

拙著『ひめちゃんとふたりのおかあさん』、発売からひと月あまりが立ちました。おかげさまで御好評を得させていただいているようです。あらためて、心より御礼申し上げます。

2006/11/9生まれのメスのアジアゾウ・媛ちゃんが、愛媛県立とべ動物園の飼育係・椎名修さんを中心とした人工保育(アフリカゾウに関しては国内初)で成長し、母親のリカさんや2009/3/17生まれの弟・砥夢(とむ)くんと日常的な同居を果たし、さらには、もっぱら隣接する放飼場で過ごす父親のアフくんを含めて、「ミニマムなゾウの社会」というべきものがつくり上げられてきた経緯を綴ったものです。媛ちゃんのいのちをつないだこと自体、偉大なことですが、動物園ライターとしては、椎名さんたちが「ゾウらしく生きる」ことについて考え抜き、日々の細やかな配慮とあらゆる手立ての中で、上に述べたようなゾウたちのつながりを実現したことに、心から敬意を表します。今回の本では、椎名さん自身の撮影したものを中心にリアルタイムの貴重な写真が豊富に収録されているのもお楽しみポイントとなるでしょう。

椎名さんの永年の営みに対して、今回、「飼育動物一個体一個体をよく理解するとともに、動物たちの暮らしの豊かさを実現する」環境エンリッチメントの観点から、NPO法人・市民ZOOネットワーク主催の「エンリッチメント大賞」で「動物園人賞」が贈られました。

http://www.zoo-net.org/enrichment/award/2011/index.html

12/4(日)、東京大学 弥生講堂 一条ホールでの表彰式で、椎名さんの受賞者講演も行なわれました。同時に、エンリッチメント大賞創設以来のこの10年間の受賞作品の紹介ポスターから、当日の来場者の一般投票で選ばれる「みんなで選ぶ10年間のエンリッチメント大賞」でも、見事、最多得票を果たしました。W受賞ですね☆御同慶の至りです(´∀`)

さて、そんな喜ばしい流れの中、今回は、拙著を書かせていただくにあたり、大きな励ましや参考とさせていただいた書物のいくつかを御紹介したいと思います。

(大判の表紙写真が用意できませんでした。御寛恕ください)

動物写真の大家・内山晟さんの写真を中心とした絵本です。人工保育から母親リカさんとの同居に向けての移行期、心の不安定さから走り回って足を傷め、異例の「ぞうさんの靴」を履いていた頃の媛ちゃんの姿が描かれています。大変な時期だったと思いますが、媛ちゃんの生き生きとしたありさまは、椎名さんたちが信じ、守ろうとしてきた「いのちの力」を実感させてくれます。

媛ちゃんたち、とべ動物園のゾウたちのもとにしげしげと通ってきた「とうしば やすこ」さんによる、媛ちゃんの弟・砥夢くんの写真集です。彼のキュートさが如何なく伝わり、その成長の過程に寄り添うような想いを抱かせてくれます。とうしばさんが各地の動物園を「お散歩」しながら綴るブログ「動物園でお散歩」には、上の写真をクリックするとリンクします。

写真集『砥夢』は、東京駅八重洲南口からすぐの地下街にある八重洲東春堂書店でもお買い求めいただけます。

http://www.yaechika.com/shop_detail/sp083/sp083.html

拙著を出していただいたフレーベル館からは、霊長類学者・河合雅雄さんが児童文学者・草山万兎として書かれた、こんな物語も出版されています。野生のアフリカゾウたちが、亡くなった群れの仲間を遺骨の牙で認識して悼むようにするさまなど、独特のエピソードが盛り込まれています。

国内で飼育されているアジアゾウに関しては、彼らを知り親しむのに、この本が何よりの導きとなってくれると思います。動物園をメイン・フィールドとする写真家・さとうあきらさんの写真も、たっぷりと堪能できます☆

以下は、強く魅惑され、大いに参考にさせていただきましたが、残念ながら現在、絶版扱いのものです。

シンシア・モス=著、マーティン・コルベック=写真(1996)『象のエコーと愛の物語』(騎虎書房)

野生アフリカゾウ研究のエキスパートであるモスさんが、BBC等で活躍する写真家・コルベックさんとともに、エコーと名づけられたメスに率いられる群れの姿を長期取材したものです。大判の写真とともに、理知と細やかさを兼ね備え、ゾウたちそれぞれの個体への親愛を込めたモスさんの文章を、じっくりと味わうことが出来ます。

黒田弘行(1988)『鼻で生きるアフリカゾウ』(農文協)

著者・黒田さんは、東京の小学校の教員を務めながら、こつこつとアフリカに通って、数多くのアフリカ野生動物たちの記録を書いています(その後、アフリカに移住)。理科教育に明るい知性とフィールドへの愛着が、独特の観察記として結実しています。

神戸淳吉(1980)『アフリカゾウ りこうでおとなしい猛獣』(ポプラ社)

多摩動物公園で、アフリカゾウのグループ飼育(一人の飼育員だけにべったりさせず、飼育班全体で関わる)を創始する中心となった佐藤節雄さんへの丁寧な取材に基づく一冊です。椎名さんたちのお仕事とは、またちがった面を持つアフリカゾウ飼育の流れを知ることが出来ます。1967年~1980年当時の馴致・トレーニング・飼育、常同行動(※)が見られた際の「遊具」としての丸太の投入など、手探りながらも推し進められた展開の実像に触れることが出来ます。佐藤さんの実践に寄り添う神戸さんの筆致の繊細さは、曲がりなりにも物書きとして、深く学ばせていただきたいと思っています。

※ここでは、放飼場の端から端まで往復を繰り返したり、立ち止まって首を振り続けたりすること。このような悪癖・異常行動と呼ぶべきものは、飼育下の限定された環境でのストレスや退屈などに由来するとされている。山形の畜産農家で生まれた佐藤さんは、少年時代にウマの常同行動「船より」(首振りや体ゆすり)を見知っており、ゾウたちの「船より」の問題にも気がつくことが出来た。

最後に、これは熊本市動植物園の二頭のメスのアフリカゾウ、マリー(右)とエリです。

この二頭の導入時(1984年=園で初のアフリカゾウ飼育)から永く、彼女たちの暮らしに寄り添い続けたのが、この人。前作業長(飼育員の現場統括者)の中野博さんです。

中野さんは、マリー・エリを園に受け入れるにあたり、多摩動物公園で佐藤節雄さんに師事して実習を受けています。熊本市動植物園でのゾウ飼育の手法は、佐藤さんからの直系ということになります。

この写真は、味噌を湯で解いているところです。直接にはオイルショックで冬の暖房がままならなかったのがきっかけで、ゾウたちに少しでも暖かく過ごしてもらおうと、中野さんたちが考案したものです。塩分補給の意義、また、薬などを溶かせば、ゾウたちの忌避を和らげて治療することも出来るだろうという意図もあります。ここにも、現場ごとでの、細やかな手仕事と工夫・配慮が見られます。

個人的には、これら熊本市動植物園での見聞や、中野さんの御謦咳に接したことが、とべ動物園で椎名さんの実践に学び、今回の本を書く上でも、ひとつの大きな礎になってくれたと感じています。

※中野博さんは、熊本市動植物園を定年退職後、2011/9/24に惜しくも御逝去なさいました。心よりご冥福をお祈りするとともに、あらためて、お受けした中野さんの御厚意に感謝申し上げます。

海獣と……怪鳥?! 覗き見・サンシャイン水族館

2011年10月26日

※どうにも画像の縮小表示が出来ないのは、何故なんでしょうかね……?

※※以下の画像は、サンシャイン水族館のグランドオープンを控えたプレス向け内覧会(2011/8/1)と2011/9/30に撮影したものを、現況を反映するように編集してお届けするものです。

さて、気を取り直して。先日、開館から約2ヶ月(今年8/4にグランド・オープン)を経たサンシャイン水族館に行ってきました。相変わらず、平日の朝から盛況で混み合っていましたが、このくらい時間が立てば、飼育展示されている動物たちも施設に馴染んだ頃だろう、と。

高層ビルの上にあるコンパクトな水族館とは言っても、そこにはさまざまなアイディアや工夫が詰め込まれ……

エントランスから間もない「生命の躍動」のコーナー。マイワシの群れの周遊。御覧の通り、マイワシ自体、人々の目を惹きつけてやまないのですが、ネコザメなどの異分子を導入することで、イワシたちの動きにもアクセントをつけています。

群れての泳ぎの面白さといえば、こちらも。東京湾の住人のひとつ、ナマズの仲間のゴンズイです。

まさに流動するフォーメーション。

2010/9/1に前身の「サンシャイン国際水族館」が閉館して、抜本的なリニューアルを経ている間にも、いのちの誕生はありました。

タツノオトシゴべぃべぇ☆

こちらは、タツノオトシゴと同じヨウジウオ科ながら、オーストラリア南部からタスマニア島の沿岸に棲むウィーディーシードラゴン。あえて和訳すれば「草海竜」というところですね。日本近海のタツノオトシゴ類は体長10cmほどのものが目立ち、最大でもオオウミウマの30cm前後ですが、ウィーディーシードラゴンは最大45cmにも達するとのこと。また、尾の先でものに巻きつくことは出来ないので、先出のタツノオトシゴの写真と比べてみてください。

さらに、こちらは「チョウチョウウオの舞」。8種類ほどのそれぞれ個性的な色彩のチョウチョウウオの仲間たちの姿を楽しめますが、さらに、この水槽の奥行に注目!

明るい水面に向かって舞い上がっていくのは、どうやらエイ。いわば、チョウチョウウオたちの遊ぶ岩の狭間から、さらなる大きな海洋世界を覗き見る感覚ですが、実はこれ、巧みに仕切りを感じさせないかたちで、隣接する大水槽への「通景」をつくっているのです……

あぁ、スタッフの方が水中作業中ですね。

回り込んで……これが浅いサンゴ礁をイメージした大水槽「サンシャインラグーン」の正面からの眺めです。

真正面からはいささかコミカルな風貌のマダラトビエイ(^Ω^)

給餌による水中パフォーマンスの時には、こんな賑やかな集いも!フロア側のガイド・スタッフだけでなく、ダイビング・スタッフもフルフェイスマスクに装備されたマイクからリアルタイムのコメントを届けてくれます。

このように、ひとつひとつ巡っていけば、楽しみは尽きませんが、今回はタイトルのように的を絞っての御紹介に徹しましょう。

だいじょうぶ☆年間パスという、強い味方があります。

http://www.sunshinecity.co.jp/sunshine/aquarium/passport.html

語り尽くせぬあれこれは、またの機会にレポートいたします(´∀`)b

さてまずはこちら=☆

入場ゲートをくぐってすぐ、空を仰ぐ屋上に広がるマリンガーデンの呼び物は「サンシャインアクアリング」です。わたしたちの頭上を翔ける2頭のアシカは、なかなかの仲よしの様子。アシカは前鰭(肢)で泳ぐ「前輪駆動」なので、その姿はまさに翼を広げた天空飛行\( ̄_ ̄)/

※サンシャイン水族館では、カリフォルニアアシカとオタリアの2種のアシカ類を飼育しています。

追いつ追われつの天空の旅の合間には……

こうして並んで、のんびり昼休み(´∀`)人(´∀`)

さらにはレスリング風のセッションも!

「あ、空飛ぶ円盤!」

「え?!どれどれ……」

「隙アリ!!」……なんてね^x^;

「アシカのオアシス広場」と呼ばれる水槽では、こんな急接近もε=( `∀´)(`∀´ )=3

誘い誘われ、エスカレーショ~ン♪

そして、これ!2ヶ月経って順応を期待していた施設のひとつがここ「アシカたちの砂浜」です(^。^)b巧みに岩棚を下りてくるメスのアシカ=))))

お待たせ~☆

彼女のあくびにまでも衆目が集まります(゜▽゜)この砂浜で寛ぐアシカの姿は、サンシャイン水族館の展示プロデューサー・中村元さんにとっては、野生での観察経験を前提として、是非再現したいものだったようです。アクアリングから砂浜までに亘る中村さん御自身での説き明かしは、下記のリンクを御覧ください。

http://blogs.yahoo.co.jp/kapaguy/60822611.html

この砂浜は、先程の「オアシス」プールのちょうど裏手。プールを上がると岩棚の最上部ということになります。そんなわけで、砂浜の彼女・岩棚の……

こちらは彼氏……屋内を何周かして戻っても、ほとんど、このポジションでした。テリトリーを主張してるんですかね(´∀`?

う~~ん……

脳天痒い~^_^;

そうこうするうちに……

「ん、拝謁か?苦しゅうない、目通りを許すぞ」

……って、スルーかよ( ̄ω ̄)

かたや彼女は、お帰りモード=333

なにげない上り下りですが、前足で体を持ち上げられるアシカ類ならではの動き☆陸上での移動を腹ばいで行なうアザラシの仲間では、こうは行きません。アクアリングでの力強い泳ぎと併せて、注目したいところです(@_@)

陽が落ちれば、オアシスはまた別の輝きを帯びます。これから日増しに昼の短くなる季節ですが、それはそれでお楽しみを☆

さて、もうひとつ。内覧会ではまだ動物たち自体がいなかったのが、こちらです。

そう、モモイロペリカンの諸氏なのですが、水中での足の動きも目前に観察出来て……

さらには、食事の様子まで!ペリカンへの公開給餌というと、もっぱら投げ与えて空中キャッチの形式だと思います。それはそれで見ものではありますが、ペリカンたちが野生の水中で、どんなふうに嘴を使いながら魚を捕らえるのか、サンシャイン水族館の展示形式は、その一端を思い描かせてくれるようです。

そして、このたびのレポートの棹尾を飾るのは、このお方。バイカル湖の淡水環境に順応したバイカルアザラシです。

観覧する側も、思わず、手が伸びます。控えめにね;^o^)ゞ

ペアのオスメス2頭を飼育展示……

前輪駆動のアシカ類に対し、アザラシの仲間は後ろ足で泳ぎます。前足は、地上では体重を支えきれないので、腹這いでの移動となります。しかし、バイカルアザラシの前足の場合、爪はなかなか立派ですψ(`∀´)ψ

世界唯一の淡水生アザラシが暮らすバイカル湖はロシア南部にあり、一年の半分近くは湖面が凍結します。バイカルアザラシの鋭い爪は、この氷を割るだけの力があります。サンシャイン水族館では、スチロール製の「擬氷」に、青みを帯びた照明を施し、アザラシたちの「ふるさと」を演出しています。

氷を割るのにも理由があり……水中生活者とはいえ、アザラシは哺乳類。しばしば息継ぎのために浮上します。

うまい具合にアングルを工夫すれば、こんな光景もパシャリとゲット可能◎空調完備の館内ながら、アザラシとシンクロして、バイカル湖の凛とした冷気を感じてみませんか?

目玉デカっ!バイカル湖は世界指折りの透明度を誇ります。巨大な眼球は、このような環境に適応して、優れた視力による「狩り(魚捕り)」を可能にしているのです。でも、こうして見ると、目だけでなく、発達した感覚毛もチャーミングですね(●´∀`●)

http://www.bk1.jp/product/02980484

※世界的な動物解剖学者・遠藤秀紀さんのバイカルアザラシ研究に基づいてつくられたのが、この本。大きな眼球が頭骨に収められている様子や、そのせいで他のアザラシ類より小さくなっているこめかみの筋肉(獲物の魚を咬むのに使われる)のマイナス面がどのように補われているのか、など、興味深い話題が満載です。遠藤さんの監修を受けた、児童文学者・山本省三さんの簡潔な文章と喜多村武さんのユニークでユーモラスなイラスト……是非、御一読ください☆

最後に、これ。サンシャイン水族館では、オフィシャルガイドブックを販売しています。定価は、お得な400円☆観覧のお伴に、お宅での振り返りに、いかがでしょう(^。^)b

ではではまた!

天王寺動物園・極地海洋ゾーンに向けて

2011年8月8日

以前にツィッターでは告知を出させていただいたりしましたが、先日、下記の番組が放送されました。

7/30(土)テレビ大阪「たかじんNOマネー」特集「動物マネーに迫る」

大阪芸術大学教授の若生謙二さんをゲストに招き、1時間の番組の半分くらいが天王寺動物園の最近と今後の展望の紹介に充てられていました。

天王寺動物園といえば、4/23付の日本経済新聞「NIKKEIプラス1」での「生態がよくわかる動物園」(ベスト10)で、同園のアフリカサバンナゾーンが1位に選ばれています。

わたしも候補園館の選定のお手伝いをさせていただき、紙面では3位の長野市茶臼山動物園の「レッサーパンダの森」と、4位のよこはま動物園ズーラシアの「チンパンジーの森」にコメントを取り上げていただきました。

「レッサーパンダの森」は、善光寺平を見晴らす高台にある立地を生かし、屋外展示の植栽が、背景となる園外の森とよく溶け合っています。雪の季節に訪れると、放飼場の木に登るレッサーパンダたちは、まるで本来の生息地である中国・四川省の山中にいるようです。元々の気候風土や動物種の特性とも相まって、擬岩・擬木抜きで構築されているのも注目しておきたいところです。

「チンパンジーの森」は、ズーラシアの園内で育ってきた大きな成木をチンパンジーの放飼場に移植するという手法によって、本格的な森の景観を創り出すことに成功しています。木立ちの間に間を気ままに動き回るチンパンジーたちののどかさは、一見に如くはないというところです。

これら3つの展示施設、それに天王寺動物園「アジアの熱帯雨林(アジアゾウ展示施設)」を貫く理念は「生息環境展示」です。そして、それらすべてのデザイナーが、上述の若生さんです。わたし個人が考える「生息環境展示」の魅力は、

1.植栽を活かし、観覧コースに物語性を持たせることで、来園者自身が動物たちの本来の生息地を訪れたような感覚をつくりだしている。

2.それらを通して、動物たちへの率直な敬意を抱けるような時間と空間が構成されている。

といった点にあります。このブログでも過去に何度か書かせていただいていますので、「天王寺動物園」「若生謙二」で検索していただければ、さいわいです。

施設の実際や成り立ち、そして「生息環境展示」の理念については、何よりも下記の若生さん自身の著書を御一読ください。

今回の番組は「天王寺動物園特集」ということで、若生さんがアンタッチャブルの柴田さんを案内するかたちで、天王寺動物園の「アフリカサバンナ」と「アジアの熱帯雨林」が紹介されました。手短な映像ながら、本来の生息地の景観を再現する工夫、「はい、これですよ」と規格品的な見方が呈示されるのではなく、来園者の一人々々が自分なりに動物たちに「出逢いに行ける」感覚は、よく伝わっていたと思います。

天王寺動物園「アジアの熱帯雨林」で暮らす二頭のメスのアジアゾウのひとり「ラニー博子」さん。天王寺名物「逆さゾウ」(^_^;

特集の終盤では、いよいよ天王寺動物園が抱く、次のリニューアル・プランが明かされます。

「極地海洋ゾーン」

北極と南極、二つの極地を結び合わせつつ、対比しようというコンセプトです。予定されている動物たちのラインナップを見てみましょう。北極圏から南極圏に向けて……

ホッキョクグマ

カリフォルニアアシカ

フンボルトペンギン

オウサマペンギン

ホッキョクグマやカリフォルニアアシカは、水中での華やかな泳ぎや動きがくっきりと観察される施設のイラストが紹介されました。

また、「漂着したシロナガスクジラ」という設定での、大きな骨格を模した建物が南極圏を表し、その中に歩み入るとオウサマペンギンとの出逢いが、という趣向も期待がふくらみます。

ホッキョクグマについて、ひとことだけ。長い間、元気なオスとして人気を集めながらも一人暮らしばかりだったゴーゴ君。今年の春に、浜松市動物園からバフィンさんがお嫁に来ました(^人^)~♪単独性の高い動物ですし、本格的なペアリングに向けては、まだまだ、いくつものステップを必要とするでしょうが、バフィンさんは過去に3回の出産も経験していますし、ここにもまた、未来に向けての希望があります。

ホッキョクグマのペアリングは天王寺動物園・浜松市動物園だけの単独プランではありません。日本動物園水族館協会と、ホッキョクグマの国内血統管理をしている旭山動物園が中心となり、全国8つの動物園・水族館が「ホッキョクグマ繁殖プロジェクト」を組んで、個体の移動により繁殖可能性の高いペアリングを実現しています。

詳しくは下記を……(プロジェクト参加園館のひとつで、先立つ2010/12/25にもホッキョクグマ「ララ」さんの出産に成功した、札幌市円山動物園のサイトに拠っています)

http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/documents/20110218kyoudoseimei.pdf

このプロジェクトは、送り出す園館・迎え入れる園館ばかりでなく、それぞれの園館の利用者やその街の人々、ひいては日本中の人々に一定の理解を得なければ、腰を据えた取り組みにはならないでしょう。そのためには、野生のホッキョクグマが置かれている現状、彼らの危機の基盤にある地球環境全体の変動や劣化が的確に伝わらなければなりません。そして、彼らを守ることがわたしたち自身の平和につながるのだということに考え至る時、飼育下のホッキョクグマたちはホッキョクグマという存在をわたしたちに教えてくれる役割を担って、そこにいるということが理解されるでしょう。そういう理解の入り口として、「野生を体感できる生息環境展示」は、大きな効果を持つにちがいありません。

天王寺動物園の「極地海洋ゾーン」は、いまから予算がついて企画が成立すれば、四年後の2015年には実現できる見通しとのことです。

2015年は、実は天王寺動物園の開園100周年です。

天王寺動物園を含む地域では、今年から下のような取り組みが始まっています。

「新世界&天王寺動物園百年祭」

http://osaka728.net/hyakunensai/index.html

今年100周年になる阪堺線から2015年の天王寺動物園まで、街全体が越し方を振り返り、新しい一歩を踏み出そうとしているのが分かります。

「アフリカサバンナ」や「アジアの熱帯雨林」を歩いているとついつい忘れてしまいますが、天王寺動物園は街のど真ん中にあります。新世界ひいてはアベノ、そして、若生さんが実際に歩いてみると、おとなりの繁華街ナンバも十数分の隔たりに過ぎないとのこと。

それならば、ミナミとも称される全域を活性化するつながりはつくりだせないものだろうか?

若生さんが学科長である大阪芸大・環境デザイン学科発の「風と緑の回廊」という試みは、そういう大きな夢を担ってつくられています。

詳しくはこちら(↓)

風と緑の回廊チラシ

昨夏に、大阪のNHKホールアトリウムで行なわれたプレゼンテーションでの、大阪芸術大学の環境デザイン学科の学生さんたちの制作です(pdfファイルのチラシにリンクしています)。200分の1の模型で「未来の大阪」を表現しました。ビルや駐車場の配置を変えて、大阪湾から生駒山までの「風と緑のみち」を作り出しています。和やかな緑陰を醸す木々も配されているとのことです。それらは現状の「ヒートアイランド大阪」を涼やかな街に変えてくれる、と。

街の中に、野生を実感できる動物園があることは、それ自体で貴重なことですが(手軽というだけでなく、みんなが生息地そのものに押しかけたら、どんなことになるかは予測がつきますよね)、さらに街自体に可能なかぎりでの自然や緑とのリンクを取り戻すことは、わたしたちの心にも体にも望ましいことにちがいありません。

「風と緑の街・大阪」で「動物と緑の動物園・天王寺」を見学できる日が楽しみです。

そして、これまたリフレッシュされるはずの新世界で、夜のお食事……(`∀,´)ゞ

※今回の放送は関東圏では視聴できませんでしたが、関西在住のFさんにお願いして、録画DVDで拝見することが出来ました。記して、心より御礼申し上げます。

※※番組内では、天王寺動物園の既存の「生息環境展示」も「極地海洋ゾーン」も、ちがう手法でも同じような規模の施設をつくるなら、かかって然るべき予算の範囲におさまっているというお話も出ていました(何しろ「たかじんNOマネー」ですから)。先入観なしに予算の検討が行なわれればと思います。

追記

毎日新聞大阪版に8月6日付で、以下の記事が掲載されました。コンパクトなものですが、若生謙二さん御本人のことばです。天王寺動物園の「生息環境展示」から大阪市の「緑陰都市」構想までが、ひと連なりのものと捉えられること、それは市の枠を超えて、大阪府全体のまちづくりにも貢献するだろうことが語られています。

動物園図鑑2 パンダだらけの120分

2011年7月17日

ひさしぶりで、いきなり自己宣伝も気がひけますが、こんなんやりますρ(´∀`)

「動物園図鑑2 パンダだらけの120分」

動物園ライター・森由民と動物写真家・やきそばかおるに​よる、動物園トークイベントの第2弾!今回は「ジャイア​ントパンダ」特集。いち早くパンダ特集を組んだ雑誌「ケ​トル」から、編集長さんと、世界のジャイアントパンダを​めぐったライター根本美保子さんを招くほか、パンダ・ク​イズから、誰でも描ける(?)パンダの絵描き歌まで、ゲ​ストもコンテンツももりもりです☆
http://tcc.nifty.com/cs/ca​talog/tcc_schedule/catalog​_110628203599_1.htm

まだ、お席は余裕がございます。ぜひ、御来遊を御検討ください☆

2010/8/11生まれの陽浜(南紀白浜アドベンチャーワールド)、女の子(´∀`)。オスの海浜とふたごです。

陽浜ちゃんは、けっこうなおてんば。これからの暑い季節、お外でもたっぷり大活躍のことでしょう☆

おなじくアドベンチャーワールドのゴールデンターキン。まったりしておりますが、これも稀少種。

上海動物園のキンシコウ。一昨年の12月の撮影なので、寒さしのぎの「猿団子」になっております。キンシコウは、ジャイアントパンダ・ゴールデンターキンと並んで、中国の国家一級保護動物(日本では、熊本市動植物園でのみ飼育展示)。つまりは、彼らの住まう高山環境が開発・人間との軋轢で圧迫されているということです。

仲睦まじく、千葉市動物公園のモウコノウマ(他の国内飼育展示園は、多摩動物公園のみ)。彼らは野生下では絶滅してしまいました。しかし、イギリスのジャージー動物園等、そして中国側の努力により、飼育下繁殖と野生復帰のプロジェクトが進められています。

稀少動物に出逢える場であり、それらの保全に貢献する場でもある、ジャイアントパンダやそれに関連する動物たちを通して、動物園の意義が浮かび上がります。

堅い話が続いたので、ちょっと面白ネタ☆クマ類に近縁のジャイアントパンダも、アライグマ類に近縁のレッサーパンダも、片手でものを掴むことが出来ます。これは、霊長類以外の哺乳類では、ごく珍しい能力です。パンダたちの場合、竹を掴んで食べるという必要が、それぞれに手の構造の変化をもたらしたと考えられます。そこで、このお方(↑)、千葉市動物公園のチンチラです。南アメリカ大陸の岩山に住むげっ歯類ですが、実は彼らも片手でものが掴めます。チンチラの場合は、どんな進化的意義を持っているのでしょうね?

以上、パンダ・イベントに絡んでのおしゃべりでした……

最後は、上野動物園のメス個体・シンシン(真真)。イモを「片手に」朝の御満悦。

それでは、皆様のイベントへのお越しを心よりお待ち申し上げます。

勝手に行くZOO in 千葉市動物公園

2011年4月19日

例によって、わたし森由民が開園から閉園まで園内をうろつき、皆様が自由に参加・離脱していただく、ゆるゆる企画「勝手に行くZOO」を実施いたします。

「勝手に行くZOO」の一般規定はこちらρ(・_・)

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=1338

今回の場所=千葉市動物公園

http://www.city.chiba.jp/zoo/

期日=4/24(日)

ランデヴー・ポイント

9:30=ゲート前

11:00=子ども動物園

14:30=動物科学館内・バードホール1F

http://www.city.chiba.jp/zoo/zone/zone-02.html

閉園後、御都合の許す方は夕食会を行ないたいとも思います。

千葉市動物公園は、近隣での鳥インフルエンザ発生や今回の震災の影響による計画停電などから、一時閉園~土日のみ開園という経緯を辿っておりましたが、鳥フルの鎮静化および、大変な時期だけに皆様の憩いの場の提供という意味も込め、4/15より全面開園に復旧しました。

そんな同園への想いも込めて、のんびりと歩かせていただきたいと思います。

四つ仔のコツメカワウソもずいぶん大きくなったか、と(´∀`)

この写真は昨年の11/7に撮影しました。

チンパンジーをもっとちゃんとよく知ろう@福岡市動物園

2011年3月29日

チンパンジーや動物園での飼育の工夫に興味のある方、そしてまた九州在住の皆さんにちょぃと耳寄りなお知らせΣ(゜▽゜)~☆

わたしも参加しているNPOで、先日は都内でチンパンジーのオリジナル絵本の読み聞かせ会を行なった「サンクチュアリプロジェクト」が、福岡市動物園でイベントを行います(読み聞かせ会のことは、このブログでも御紹介しました)。

チンパンジーをもっとちゃんとよく知ろう@福岡市動物園

日時:2011年4月24日(日)

場所:福岡市動物園

内容:チンパンジーのためのエンリッチメントを実施します。

みんなで「実のなる木」をつくり、チンパンジーにプレゼントします(用意した木の枝にチンパンジーが好む食べものをつけます)。

チンパンジーたちがどのように採食するのかを観察します。

参加対象:高校生以上ならどなたでもOK 先着15名

申し込み締め切り:4月17日

申し込み先:info@chimp-sanctuary.org  サンクチュアリ・プロジェクト のがみ

企画・主催:NPO法人サンクチュアリ・プロジェクト http://chimp-sanctuary.org

「エンリッチメント(enrichment)」は「豊かにすること」という意味ですが、ここでは飼育下のチンパンジーの環境を豊かにすることで彼らに、より快適な暮しをしてもらう工夫ということになります。

チンパンジーのふるさとは、たくさんの果物が実るアフリカの森。その果実を探しては採集して食べるというのが本来の食生活です。日本の動物園にいるチンパンジーにも、少しそういう楽しみを味わってもらおうというわけです。

「サンクチュアリプロジェクト」は「すべてのチンパンジーが仲間と楽しく暮らせる環境をめざす」という主旨で、さまざまな取り組みを行なっています。

参加なされば、自分たちの手で目の当たりにチンパンジーたちの笑顔を作り出せるでしょうし、少人数の親しい交わりの中で、普段はなかなか聞けないチンパンジーのあれこれも話題に上るかと思います。

早い者勝ちですが、皆様是非々々!

最後に、申し込み先にもなっている理事ののがみさんからのメッセージですρ(・∀・)

「こういう時ですから、チンパンジーたちのたくましさを感じて力を得てもらえたらいいな、と思っています。」

チンパンジーの庭

2011年2月14日

以前に、このブログでも御紹介した、大阪芸大教授で動物園デザイナーの若生謙二さんの著書『動物園革命』の書評が朝日新聞に掲載されました。

コンパクトながら要領よくまとめられた好評だと思います。

実際に本書を手に取り、何よりも直接、動物園の現場を見学していただくのが何よりと思います。それによって、若生さんが志す「生息環境展示」の具体的なありようも体感できるでしょうし、わたしたちが従来見知ってきた動物園展示のイメージを思い浮かべたり、他園の展示の現状と引き比べたりする中で、現在の動物園がどんな方向性をもって歴史を刻んでいるかも考えていけるでしょう。

ただ、今回の書評では若生さんの制作施設として天王寺動物園のみが挙げられていますので、その他について、少し付け加えておきます。

そのうちのひとつで、現段階では最新作でもある長野市茶臼山動物園の「レッサーパンダの森」 は、これもまた既に御紹介しましたので、そちらを御覧ください。

ここでは、天王寺と茶臼山の間に制作された、よこはま動物園ズーラシアの「チンパンジーの森」を覗いてみます。

「チンパンジーの森」の放飼場の一景です。元々園内に多くの木々が植えられ育てられてきたズーラシアですので(1999年開園)、それらの中から20mを超えるものも含めて、この場所への十数本の大規模な移植が行われました。これにより、限られた工事期間の中でもしっかりした「森」をつくることに成功しています。御覧の風景は、それらのズーラシアならではの頼もしい生木たちを核に構成されています。

結果として、野生でのありさまに準じた「樹上を重要な生活圏とするチンパンジー」の姿が立ち現われています。

チンパンジーのパワーは侮れないものがあり、いまのところ、幹や(木の生長の要である)樹冠部など、電柵での保護が見て取れます。

しかし、木々の成長とともに、これらも随時再検討されたり、さらに自然らしく見えるように工夫されたりもしていくでしょう。

動物園の宿命として、野生の環境よりは遥かに限られたスペースでチンパンジーたちの「生息環境」の再現に取り組んでいかなければなりませんが、ズーラシアの「チンパンジーの森」を訪れることは、その試みの最前線に立ち会うことにもなっています。

若生さんたちは「チンパンジーの森」の制作過程で、本来の生息環境のモデルとするべく、ウガンダのカリンズ森林保護区を現地踏査しています。

若生さんは木々を上り下りし、比較的水平な枝などで寛ぎ、地上では朽ちた倒木の中のアリをショウガ類の枝を差し込むなどして食べたりする、チンパンジーたちの日常生活を目の当たりにしつつ、その環境を「チンパンジーの庭」と捉えています(『動物園革命』の該当章を御一読ください)。

そういう知見に基づくズーラシアの展示は、二重の意味で「チンパンジーの庭」と言えるでしょう。

ひとつには、わたしたち見学者にとって、日本にいながらにして、生きたチンパンジーに出逢える場「チンパンジーのいる庭」であるということ。

実際に陽気で能動的な本性を持つチンパンジーたちは、ガラス越しのビューの設けられている観察ポイントでは、こんな写真のような調子で近づいてきてくれることもあります。彼らのひょうきんさに思わず笑ってしまうのも自然なことでしょう。

しかし、もう少し考えてみると、こういう行動自体が、チンパンジーたちは一方的に見られるだけの存在ではなく、彼ら自身がわたしたち来園者を意識し、向こうからも観察したり、あれこれアプローチしたりしているのだと気づくことも出来るでしょう。

「チンパンジーの森」の内部では、園路は狭まり、ほどよく屈曲を繰り返します。

時にはミストが漂う一角もあります(植え込みの中に装置が仕込まれています)。

チンパンジーの生活痕である糞や果実の食べ残し(頬張って果汁を吸い出した滓)などの模型も配されています。

そんな中で、そこここのビューポイントごとに実際のチンパンジーに出逢う時、わたしたちは文字通りの「チンパンジーの森」に入り込む体験をしているのだと感じられるのではないでしょうか。

そんな感覚は、チンパンジーがわたしたちとは異なる、しかし同じように自立したいのちとしてそこにいるという認識を、さらに深めてくれるように思います。

木立ちのまにまに見え隠れし、蔓を手がかりに太い幹をよじ登り、チンパンジーたちは気ままに過ごしています。

やはり、ここはチンパンジー自身の生活の場「チンパンジーの庭」を目指す試みにほかならないのです。

勝手に行くZOO・インドア編(^_^?

2011年2月5日

わたし、不肖動物園ライター・森由民が、いつものごとくに動物園をうろうろするのを兼ねて、皆様にささやかなガイドをしようという試み「勝手に行くZOO」。

また、実施させていただこうと思います☆

「勝手に行くZOO」の基本的な性格や規定については下記をどうぞ。

勝手に行くZOO・標準仕様

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=1338

ただ、世間は温かいごはんとお風呂が恋しい季節w、さすがに屋外の動物園では厳しかろうということで、今回はもっぱらインドア型で考えてみました。

日程=2/27(日)12:00~(随時、参加・離脱可)。細かいタイム・スケジュールは後述します。

場所=東京農業大学「食と農の博物館」

http://www.nodai.ac.jp/syokutonou/

および、実質上、この博物館と併設となっている

進化生物学研究所バイオリウム(マダガスカルを中心とした動植物のいる温室)

http://www.nodai.ac.jp/rieb/biorium/index.html

交通アクセスはあまり便利ではありませんが、下記を御覧ください。

http://www.nodai.ac.jp/syokutonou/info/info.html

タイムスケジュール

12:00=博物館前待ち合わせ。

以後、バイオリウム~博物館の順で見学しようと思いますが、今回は極めて限定された屋内空間ですので、途中のランデヴー・ポイントは設けません。

初対面の方は、いつも通り、わたしの腕章を目印にしてください。

食と農の博物館では、現在、下記の特別展が行なわれています。

「近藤典生博士の世界」展

http://www.nodai.ac.jp/syokutonou/recentNews/detail.php?new_id=103

近藤さんは、マダガスカル・南米の生物相に明るく、東京農大教授・進化生物学研究所長を務めつつ、伊豆シャボテン公園をはじめとした、いくつかのユニークな動物園を構想・構築した人です。

この博物館では、他に各種の野生鶏(家畜のニワトリの原種)の剝製等のユニークな展示品があります。

博物館入り口に立つ巨大な「ナレースワン大王鶏」(タイの闘鶏用品種のひとつ)の像。

展示されているセイロン野鶏の剝製。

バイオリウムは、そんな近藤さんの関心も反映しつつ、コンパクトながらも熱帯植物の温室の中に、マダガスカルの代表動物の一群でもあるレムール(キツネザル)やリクガメ・トカゲ類などが飼育・展示されています。

(↑)どこに動物がいるか、分かりますか?

では、御関心を抱いていただければ、さいわいです(´∀`)

参考資料

『環境共生学の祖近藤典生の世界』

http://www.bk1.jp/product/03359520

近藤典生、もうひとつの世界―エコロジカル・パークの思想とその方法

http://www.bk1.jp/product/00849552

ランドスケープ・イリュージョン

2011年2月1日

先週1/29(土)に、写真家・古川 裕也さんの写真展「ランドスケープ・イリュージョン」のギャラリートークに行ってきました。

「ランドスケープ・イリュージョン」とは?

「ランドスケープ・イマージョン」という術語は、もっぱらアメリカで磨き上げられてきた動物園の展示技法を指します。

それぞれの動物展示施設で、その動物種に相応しい景観を再現することで来園者に、まるでその動物の野生の生息地に入り込んだような感覚を抱かせようというものです。

直訳としては「風景に浸しこむ(イマージョンはエマルジョンと同じです)」ということになります。

結果として、それぞれの動物にもその特性にあった飼育環境を提供できる可能性を孕んでいます。本来に近い環境の中での本来に近い生態・行動の展示という意味で「生態的展示」という概念とも結びつきます。

ではあらためて、古川さんの言う「ランドスケープ・イリュージョン」とは?

詳しくは、御本人のブログでの記事を御参照ください。

http://d.hatena.ne.jp/yutaka_tokyo_usb/20110124/1295884738

以下は、古川さんのギャラリートークを聞きながら、わたしが解釈したものです。文責はわたしということで、宜しくお願いいたします。

古川さんは、パリの自然史博物館のジャルダン・デ・プラント(植物園)を訪れた折、その中に組み込まれた動物園も御覧になったそうです。そして、たまたま動物の姿が見えない時、整備された植栽の放飼場が、ふと不思議な世界に迷い込んだ感覚を呼び起こされた、とか。

その感覚はアメリカの動物園が意図的に練り上げた「ランドスケープ・イマージョン」の発想の源でもあるでしょう。

日本でも植物園での動物展示の例はあります。

 

神戸市立森林植物園のニホンカモシカ(籍は神戸市立王子動物園にあるとのことです)。園内の一角の渓谷にあります。

こちらは埼玉県こども動物自然公園。分類としては「動物園」でしょうが、やはり園内の一角に渓谷があり、そこに御覧のような橋のかたちの遊歩道があります。「カモシカ生息地」と書かれていますね。

歩いている親子さんはまったく気づいていませんが、橋の下に注目(゜_゜)

 「見~た~な~……」

在来の森の一部を囲い込み、そこを整備しながらカモシカを飼育・展示しているということのようです。ニホンカモシカは日本産動物ですし、このように文字通りの自然に近い森を利用した飼育・展示も興味深いと思います。

しかし、フランスでの体験から日本でも動物園の放飼場そのものの姿に注目してみるようになった古川さんは、もっと意図的な構成の要素の強い施設に惹かれていったようです。まず、彼の目についたのは大阪・天王寺動物園のサバンナやアジアゾウの施設、これはこのブログでも紹介させていただいた「生息環境展示」の理念によってつくられています。実例は、拙いながら該当記事を御覧ください。

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=226

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=251

天王寺動物園の生息環境展示は、大阪芸術大学の若生謙二さんの制作にかかっており、この展示理念と技法自体は、若生さんの最新の制作でもある長野市茶臼山動物園の「レッサーパンダの森」で、「レッサーパンダの本来の生息地とも通じる信州の高冷地の風土を活かし、擬岩・擬木を一切使わない施設を構築する」というかたちで、さらに発展しています。

これも最近、レポートさせていただきました。

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=1406

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=1447

http://www.zoo200.org/yuminblog/?p=1505

さて、それはともあれ、古川さん自身は天王寺動物園の施設に深く魅せられながらも、国内にはそういうタイプの施設は少ないということもあり、あらためて動物園の放飼場を「野生という戯曲が演じられる舞台」と捉えて、人工性がくっきりしているもの(たとえば、白いコンクリートでつくったホッキョクグマの放飼場)も含めて、こつこつと写真を撮り貯めました。

これらの撮影のひとまずの成果が今回の写真展でした。「舞台への注目」という発想もあって、動物の映っていない写真がほとんどです。

わたしの感想としては、まず「腕と発想のある人が撮る写真はちがうなぁ(´∀`)=3」と。わたしたちの肉眼での視野も意識しながら、巧みに切り取られた景観は、結果として「生息環境展示」や「生態的展示」を意識した施設では、ナマの観覧以上にその意図を浮かび上がらせています。また、人工性の強い施設も、普段、わたしたちが動物の背景として、むしろ無意識化しているものをあらためて呈示していると感じます。おしなべて、まがりなりにも動物園をテーマに活動している者としても「舞台」という発想と着目は新鮮であり、学びや気づきのきっかけになり得ると考えています。

勿論、純粋に写真表現として鑑賞しても大いに楽しめるものです。奇を衒っているところはまったくないにも関わらず、写し出される放飼場はわたし自身の同じ場所の記憶とはどこか異質でエキゾティックさが漂います。「動物のいない放飼場」という呈示の仕方自体にも、そういう感覚を喚起する面があるのかもしれません。

東京での展示は終わってしまいましたが、次は5/5(木)-11(水)に、大阪のニコン・サロンでの開催が予定されています。

僭越ながら、お勧めです(^_^)b

古川さんのプロフィールや仕事の全体像に御興味のある方は、下記を御覧ください☆

http://www.yuyafurukawa.com/

チンパンジー絵本読み聞かせ会

2011年2月1日

わたしも関わっているNPO「サンクチュアリ・プロジェクト」でチンパンジーのオリジナル絵本を制作しています(平成22年度日本郵便・動物愛護寄付金の助成を受けています)。

まもなく現物が完成するので、上掲のチラシのように、読み聞かせ会を実施します。

場所は、リリオカラニガーデンズ

http://www.kukuitokyo.com/lilikala.html

東京都 板橋区 東山町【最寄り駅:東武東上線 ときわ台より徒歩6分】にある、Cafe&レンタルBOX雑貨店です。

日程は、

2/19(土)・26(土)・3/5(土)の各日14:00-15:00

サンクチュアリ・プロジェクトは「すべてのチンパンジーが仲間と楽しく暮らせる環境をめざす」という主旨で、さまざまな取り組みを行なっています。

今回の絵本制作や読み聞かせ会の実施は「この絵本を通して絶滅が懸念されるチンパンジーについて多くの方々に正しく理解していただきたい」ということで行ないます。 

当日は、この表情豊かな粘土細工のチンパンジー「まんたろう」君を主人公にした物語のほか、写真パネル等で野生下のチンパンジーの現状の解説などもさせていただく予定です。

わたしも、お手伝いに参ります。

 

イベントへのお問い合わせやお申し込みは、下記にどうぞ!(スパム対策で画像化してあります)

 

(付記)

2/26の回に御参加いただいた親子お二人にお許しを得て、写真を掲載します。

お楽しみいただけたようでさいわいです(´∀`)